
eラーニングシステム(LMS)だけでは不十分?
企業が見直すポイントを解説

【目次】
企業における社員教育・研修のあり方は大きな転換期を迎えています。
これまで主流だった集合研修に加え、現在ではオンラインで学べる「eラーニングシステム(LMS:Learning Management System)」を導入する企業が一般的になりました。時間や場所を問わず学習できる利便性から、コンプライアンス教育や必須研修などさまざまな領域で活用が進んでいます。
一方で、企業を取り巻くリスク環境は大きく変化しています。特に情報セキュリティ領域では、サイバー攻撃の巧妙化やコンプライアンス強化の流れから、「一般的なLMSだけでは十分に対応しきれない課題」が顕在化しつつあります。
本記事では、LMSの役割を整理しながら、なぜセキュリティ教育ではLMSだけで不十分なのか、そして企業がどのように教育体制を強化していくべきかを解説します。
企業がeラーニングシステム(LMS)に求める役割
企業がLMSに求める役割は、大きく分けると以下の2つです。
- 社員教育の標準化と効率化
- 受講状況の可視化と管理
近年、多くの企業でオンライン研修が一般化したことで、「教育をどう配信し、どう管理するか」は重要な経営課題の一つになっています。
従来の集合研修では、会場準備や日程調整、資料配布、出欠確認など、多くの工数が必要でした。しかし、LMSを導入することで、教材配信から受講管理までをオンライン上で一元化できるようになり、教育運用の効率は大きく向上しました。
特に企業では、コンプライアンス研修やセキュリティ教育、新入社員研修など全社員向けに定期実施する教育が数多く存在します。
そのため、誰がいつ修了したか、理解度はどうだったか、を可視化できる仕組みは、教育管理の面で非常に重要です。監査対応や法令順守の観点でも、受講履歴を適切に管理できることは大きな価値になります。
さらに最近では、スマートフォン対応や多言語対応、学習分析機能など、LMS自体も進化を続けています。このように、LMSは企業教育を支える基盤として欠かせない存在となっています。
しかし、これらの“基礎機能”を満たしていても、「LMSだけでは対応しきれない教育領域もある」ということに企業は次第に気づき始めています。その典型例が、特に重要性が高まっているセキュリティ教育です。
なぜ一般的なeラーニングシステムだけでは情報セキュリティ教育が難しいのか
セキュリティ教育は、一般的な研修とは少し性質が異なります。例えばコンプライアンス研修では、「ルールを理解すること」が重要になります。一方、セキュリティ教育では、知識を持っているだけでは十分とは言えません。
攻撃手口が年々巧妙化する中で、数年前に収録されたeラーニング教材を視聴させるだけでは、社員の防御力を維持することは困難です。また、セキュリティ事故は“知識不足”だけでなく、“思い込み”や“油断”といった行動面の課題も絡むため、一般的なLMSが想定してきた教育とは異なるアプローチが求められます。
また、実際の業務の中で、「怪しいメールに気づけるか」「危険なリンクを開かないか」「違和感を覚えた際に報告できるか」といった“行動”が求められます。
ここが、市場で普及している標準的なLMSだけでは難しいポイントです。
特に課題になりやすいのは、以下の3点です。
①脅威の変化スピードが速い
ビジネスメール詐欺やランサムウェア、AIを悪用した攻撃など、企業を取り巻く脅威は年々進化しています。ところが、一般的なLMSで配信されるeラーニング教材は、1〜2年に一度の更新が多く、最新の攻撃手口を反映できていない場合があります。
そのため、「古い教材で学んだ内容が、現実の脅威に通用しない」というギャップが発生しやすいのです。
②知識だけでは行動が変わらない
セキュリティインシデントは、単純な知識不足だけで発生するわけではありません。「うっかり」「思い込み」「急いでいた」のような“人の判断”が原因になるケースが多くあります。
しかし一般的なLMSでは、動画視聴と理解度テストが中心で、社員の“行動変容”まで促す設計にはなっていません。例えば、フィッシングメールを見抜く力は「経験」を通じて磨かれるものであり、座学だけで強化するのは難しい領域です。
③継続学習になりにくい
セキュリティ意識は、一度の研修だけでは定着しません。しかし一般的なLMSでは、年に1回の必須研修、一斉配信型のeラーニングとして運用されることが多く、継続的な学習サイクルを構築できていない企業も少なくありません。
その結果、「受講はしているが、セキュリティ意識は定着していない」という状態が起こりやすくなります。
これらの要因から、企業の多くは「一般的なeラーニングシステムだけではセキュリティ教育が十分に機能しない」と気づき始めています。その結果、セキュリティ領域においては、LMSとは異なるアプローチや専門プラットフォームの活用を検討する企業が増えているのです。
eラーニングシステム(LMS)と情報セキュリティ教育ツールの違い
LMSは、幅広い社員教育を効率的に管理するための基盤として非常に優れています。一方で、セキュリティ教育では、一般的なLMSとは異なる役割が求められることがあります。
例えば、LMSが得意としているのは、教材配信や受講管理、修了確認、学習履歴の管理など、“教育運用”を効率化することです。
対して、セキュリティ教育に特化したツールでは、疑似フィッシング訓練や行動分析、リスク可視化、継続的なマイクロラーニングなど、“実際の対応力向上”に重点が置かれています。
つまり、「eラーニングシステムを置き換える」というより、「カバーしきれない部分を強化する」という考え方が重要です。
実際、多くの企業では既存のeラーニングシステムを活用しながら、セキュリティ教育のみ専門プラットフォームを併用する構成を採用しています。

情報セキュリティ教育を強化するために重要なポイント
では、企業がセキュリティ教育を強化する際には、どのような点が重要になるのでしょうか。
特に重要なのは、以下のようなポイントです。
①最新の脅威に追随する専門コンテンツ
セキュリティ教育では、攻撃手法の変化に応じて教材が頻繁に更新され続けることが不可欠です。動画やテキスト教材が最新動向を反映し、社員が常に“いま起きている脅威”を理解できる環境こそが、行動レベルでの防御力につながります。
②疑似フィッシングなどの実践型トレーニング
机上の学習では、実際のメールを前にしたときの判断力は身につきません。疑似フィッシングメールの配信、クリック率の分析、個人ごとの脆弱性の可視化など、現場のリアルな状況を再現する仕組みが重要です。
③行動データに基づくパーソナライズ学習
人によって弱点は異なります。本当は「少し怪しい」と気づいていたのに開封してしまう人もいれば、英語メールに弱い人もいます。こうした個々の弱点に応じてeラーニングを出し分けられると、教育の効果は大幅に向上します。
④意識を維持するための継続的な反復学習
セキュリティ意識は時間とともに薄れる傾向があります。短時間のミニ学習、リマインド通知、月次のマイクロラーニングなど、“小さな学び“や“こまめな気づき”を継続して積み重ねる仕組みが必要です。
⑤管理者負荷を増やさない自動化
攻撃手法の更新や社員の行動履歴に合わせて教材を手動で配信していては、現場が疲弊します。自動シナリオ配信やレポートの自動化など、管理工数を下げる仕組みも求められます。
これらの要素は、一般的なeラーニングシステムの想定してきた“汎用教育の枠組み”からやや外れます。そのため、多くの企業が「LMSと組み合わせてセキュリティを強化する仕組み」を探し始めています。その有力な選択肢の一つが、KnowBe4(ノウビフォー)です。
セキュリティ教育を強化する選択肢「KnowBe4」
KnowBe4は、セキュリティ意識向上に特化したプラットフォームとして世界中で利用されています。特徴的なのは、単なる動画学習ではなく、“実践型トレーニング”を重視している点です。
①セキュリティ意識向上のための専門的かつ実践的な仕組み
KnowBe4では、疑似フィッシングメールによる実践トレーニング、社員のクリック率や行動パターンの分析、その結果に応じた個別最適化された学習シナリオなど、実践的なセキュリティ教育を継続しやすくなります。
②Compliance Plusでコンプライアンス領域まで教育範囲を拡張
オプションライセンス「Compliance Plus」を組み合わせることで、セキュリティ以外のコンプライアンス教育もワンストップで配信できます。
扱える領域は以下の通りです:
- ハラスメント
- 情報保護
- 内部統制
- ESG
- 労働安全
- 倫理・ガバナンス など
これにより、企業内で必要となる必須教育の多くをKnowBe4上で実施できるようになり、LMSで運用している一部を補完・代替することも可能になります。
③自社オリジナル教材をアップロードして配信可能
KnowBe4では、以下の自社教材をアップロードできます。
- 動画(mp4 など)
- SCORMコンテンツ
- PDF資料
- 簡易テストや理解度チェック
これにより、これまで社内のLMSで配信していた教材をそのまま移行したり、必須教育の一部をKnowBe4で完結させることができます。受講管理やレポートも統合できるため、KnowBe4が“教育管理プラットフォーム”として機能する場面も増えています。
そのため、「すでに利用しているLMSを活かしながら、セキュリティ教育だけ強化したい」という企業にも、「教育基盤をできるだけ集約したい」という企業にも、柔軟に対応しやすい構成となっています。
セキュリティ+コンプライアンス強化の新しい選択肢:KnowBe4
企業が教育インフラとしてLMSを導入することは当たり前になっていますが、情報セキュリティのように変化の激しい領域では、一般的なeラーニングシステムだけでは十分な効果を上げることが難しくなっています。
KnowBe4は、セキュリティ意識向上に特化した専門性に加え、Compliance Plusによるコンプライアンス教育、自社教材のアップロード機能など、多様な教育ニーズを幅広くカバーできます。結果として、企業の教育体系の中でLMSを補完しながら、特定領域を代替する柔軟な構成が可能となります。
当社では、KnowBe4の導入支援から運用サポートまで一貫してご提供しています。セキュリティ教育やコンプライアンス教育の見直しをご検討中の企業様に向け、具体的な活用イメージや導入ポイントを分かりやすくご紹介しています。
また当サイトでは、企業のセキュリティ対策における「人的対策」の必要性や「KnowBe4」に関する資料を多数ご用意しています。ぜひダウンロードいただき、皆様の社員教育のご検討にご活用ください。
電通総研KnowBe4ソリューションサイト:
https://security.dentsusoken.com/knowbe4/
https://security.dentsusoken.com/knowbe4/
電通総研KnowBe4関連資料ダウンロード:









